new 11.2.17

[松浦香苗のノートブックvol.2 no.4 2006.7.1

notebook_vol.2
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バスク

アペリティフのサングリア

ムール貝のファルシー

‘KaiKu’で。前菜の生牡蠣

セロリアックのサラダ

フォアグラのソテー、
テリーヌ、パテ

イカのカネロニにオマール
海老のソース

熱々のフォンダンショコラ

レストラン‘Olatua’の
アミューズ

フォアグラのテリーヌ

本日のメニューの肉料理

白身の魚をハムでくるんで
グリル

デザートのサヴァラン


テーブル越しに幸せそうな顔をみるのが好きです。
美味しそうに食べて飲むうちに、疲れて険しかった顔が和み、
優しい笑顔が広がるのを見ていると幸せになります。
隣のテーブルで食べているものを見て、なんの料理なのか尋ねたくなったり、
レストランで夜毎繰り広げられる光景はみあきることがありません。
今 夜はフランスの西南部,スペインとの国境に近いバスク地方の海辺の小さな町Saint Jean de Lug
Kaiku’というレストランに出か けました。前菜に取ったセロリアックのサラダの美味しかったこと。
添えられたリバーブのピュレが不思議と合い味のアクセントになってました。
5月末のこの季節、夜の8時をすぎてもまだ明るく、9時近くなってレストランは混み合い始めました。
人々の話す声のざわめきやナイフやフォークの音が幸 せなひとときのリズムを刻んでます。
ワインも飲み終わり、デザートを食べ終えてレストランの外に出ると、
風に乗って海の潮の香りが漂ってきました。
あた りはすっかり夜のとばりに包まれて暗くなり、夜空の星が煌めいていました。


Saint Jean de Lueのホテル La Devinie'reの朝食は中庭で

‘Olatua’観光スポットから少し離れているので、
地元の人が多いレストラン


‘Chez Pantxua’街から
少し離れた岬の突端にある
レストラン

レストランの中から
海岸の夜景・午後9時半ごろ


レストラン‘KaiKu’
前菜に生牡蠣を




地元の白ワイン

[松浦香苗のノートブックvol.2 no.3 2006.6.7

パリ市内で5月下旬から6月上旬に見かけたジダンの掲載誌の広告と映画の広告
サッカーのスーパースター,フランスのジダンが6月のワールドカップを最後に引退する。
私がサッカーに興味を持ったのは、20年来,春の1ヶ月をヨーロッパで過ごすようになってから。
言葉の不自由な国でTVを見ていると理解できるのはス ポーツ番組ぐらいで、
なかでもサッカーはヨーロッパ各国で中継している。
春のこの時期はチャンピオン・リーグのファイナルの時期と重なることもり、
ニュースなどでも話題になっている。今年は、今一番輝いていると言われる
ロナウジーニョ引きいるスペインのバルセロナと、イングランドのアーセナルの組 み合わせで、
パリで決勝戦を迎えた。当日,パリの天気は大荒れで試合中に雷が鳴り、
ピッチを雨がたたきつけTVカメラも曇って画面が見えなくなるほど だった。
チャンピオンズリーグはバルセロナの勝利に終わり、パリはワールドカップの話題で盛りあがり始めた。
ジダンの映画も公開され、ニュースでは所属していたレアルマドリッドでの最後の試合に、
背番号5のユニフォームの絵を書いた白い紙を両手で掲げ、スタン ディングオベーションしている
満員の観客の姿が放送されていた。1998年のワールドカップの時も、
この時期私はパリにいた。開催国フランスに勝利をも たらしたのはジダンの右足だった。
あれから8年が過ぎさよならを告げる笛の音を、私達は何時、聞くことになるのだろうか。

[松浦香苗のノートブックvol.2 no.2 2006.4.9
2ヶ月に一度の京都通いも20年を過ぎ、錦小路の八百屋『 四寅 』さんとのお付き合いも長くなりました。
野菜の下ごしらえや料理のことだけでなく、おかあさんに教えていただいた乾物や豆腐などの店も多くなりました。
季節の野菜はもちろんですが、きゅうりや玉子も必ず買うもののひとつです。


京都の楽しみのひとつが和菓子です。
毎回買求めるのが『 生風庵 』の季節の生菓子です。
季節ごとの材料で作ったお菓子はどれも美味しいのですが、
今ならわらび餅が、6月になると空豆の
くず饅頭 が私の大好物です。

先日、長年お付き合い、いただいている京都の方から
『 木の芽 』という名のお菓子をいただきました。
乳白色の長方形の形で、山椒の葉をのせた和菓子です。
口に運ぶと、より爽やかな山椒の香りと、
絶妙な味が、まじりあ い口の中で広がります。
京都ならではの、品の良い美しいお菓子です。


庭の緑の色が優しく爽やかな朝、季節の便りが届きました。
京都からは蕗味噌が、高知からは朝採りの
トマトやキャベツ、菜花、筍、などの春野菜が。
友人の手作りの蕗味噌をナチュナルチーズにのせ、
海苔で巻いていただくと、
シャンパンや白ワインに良くあいます。

木の芽

蕗の薹


『生風庵 』三月のお菓子

『 四寅 』さん三月の店頭 

[松浦香苗のノートブックvol. 2 no.1 2006.3.6

2006年1月号より、雑誌「花時間」の口絵頁で
1年間、
ヴィンテージの布に咲きつづける花
テーマに連載を始めました。
写真の3月号は英国で
1930年代に作られたインテリアテキスタイル。
ラッパズイセンやヒヤシンスなどの花々が、
春の訪れを告げています。
「花時間」は角川書店発行です。

布とおしゃべりの本にも載せた布箱です。
接着芯と薄いボール紙を抱かせて折り紙の要領で簡単に作れます。
写真の箱は5センチ角の大きさです。
縫い代 付き3センチののスクェアのピースを
整理するのに使ってますが可愛いですよ。

この5ヶ月間というもの、
1930年代から1950年代にかけて
作られたアメリカのヴィンテージ・
ファブリックを、コレクションした
新しい本を作るため に、
布の整理や構成に追われてました。
毎日、本でまとめたのと同じ時代の、
懐かしい歌のCDを繰り返し
聞きながら過ごしてました。

ドリス・デイは歌手と して人気があっただけでなく、
俳優としてもヒチコック映画やコメディ映画でもお馴染みでした。
柔らかな声で歌うラブソングは、今聞いても素敵です。
コ ニーフランシスの歌‘WHERE THE BOYS ARE’が日本でも大ヒットしたのは、
私が高校生の頃だったでしょうか。声をはりあげる聞かせどころにかかると
思わずはもってしまうほど、良く耳にした 懐かしい曲でした。
リッキイ・ネルソンは私の少女時代のアイドルでした。
アメリカでも日本でも熱狂的なファンが多かったエルビス・プレスリーは苦手でした。
普段、針仕事をしている時には、ラジオやオペラのアリアなどをよく聞きます。
サザンも好きで‘KILLER STREET’も購入しました。
ソウルスタンダードが得意なヴォーカリスト、マイケル・ボルトンが
オペラのアリアを歌ったアルバム‘my secret passion’は私のお気に入りで、
気分を変えたいときにかけるCDの1枚です。

[松浦香苗のノートブックno.7
2005.10.15
秋のはじめの長野県白馬村です。
道の両脇にはそば畑の白い花が咲き、連なる山々の上には
吸い込まれそうに青く澄み渡った青い空が広がってます。
厳しい冬が訪れる前の、1年で一番気持ちが良い季節です。
白馬には主人が35年前に買った、築200年以上たつ茅葺きの家があります。
家の中は毎年、夏休みに主人が趣味の大工で少しづつ改装し、
今年も囲炉裏の部屋の壁や床を張り替えました。
訪れた友人達と囲炉裏を囲んで賑やかに過ごすひとときが、
私達のなによりの楽しみです。
そばの花の向こうの山は白馬三山です。

海外に出たら必ず買うもののひとつが、歯ブラシ。薬屋やスーパーで探しますが、
種類が沢山あるので、いつもどれにしようか迷います。
一見、同じようにみえますが、使い心地はそれぞれに違いますね。
写真は昨年の春、パリとコペンハーゲンで買ったもの。
中央はドイツ製、その両側の流れるようなラインと、
透き通るような色がおしゃれなのはフランス製。
素朴な手触りが懐かしい、白木の歯ブラシはデンマークのもので、
ブラシも豚毛とナチュラルです。いつも4〜5本買って帰ります。
使い心地が良かったものを、翌年、また買いたくて探しますが、
デザインが変り見つからないことも度々です。
昨年の12月、汐留の東京パークホテルに泊まりました。このホテルの歯ブラシ、
ごく普通のシンプルなものでしたが、おいてある2本の葉ブラシの色が違いました。
ホテルや旅館に泊まると、前の夜に使って、朝、2本並んだ歯ブラシを前に、
必ず使ったのはどちらなのかを迷います。色が違えば間違えませんよね。
窓の向こうにまばゆく光輝く東京タワーの美しさと、歯ブラシの心くばり、
東京パークホテルはおすすめです。

[松浦香苗のノートブックno.6
2005.07.28

[松浦香苗のノートブックno.5

イタリア南部6日間、2300キロドライブの旅
サレルノ-salerno-2005.6.3

下の写真は宿泊したホテルの窓から夕暮れのサレルノ駅を。
聖人の日のお祭りでイリュミネーションが点灯。

サレルノ市は、豊かな食文化の伝統ある都市です。
今、流行の地中海式ダイエットは”サレルノ式健康法”から
生まれました

自宅で使っている
ワッフル織りのリネン
私が曜日を刺したもの。
上の瓶は、リネン・ウォーターです。


5月半ばから3週間、ヨーロッパに出かけました。パリに2週間滞在したあと、南イタリーのナポリ
からアマルフィ海岸を周り、アドリア海沿いを友人の運転で旅してきました。

ナポリ以外は、予定を決めないまま車を走らせ、日が暮れるとホテルを探す毎日でした。
泊まることに決めた町に入ったら、まずは駅を探します。どの町の駅前にも必ず、
古い小さなホテルがありました。
でもお風呂は無し。シャワーも、熱い!と思うと、突然、水になったりしましたが、
清潔で居心地の良いホテルばかりでした。

イタリーを旅行する度に感心するのが、リネン類です。今回泊まった、どのホテルのバスルームも、
備え付けのリネンがタオルでは無く、イタリーでは古くから使われている上質のダマスク織りや
ワッフル織りのリネンでした。
アイロンでピシっとプレスされたリネンは、輝くばかりの白さです。
太陽の陽射しが強く、暑いイタリーで、シャワーを浴びたあとの、
ひんやりとしたリネンの肌触りが気持ち良く、旅の疲れをいやしてくれました。

2月の末に体調を崩して、3〜4日寝込んでしまいました。
少し良くなってくると、買い込んだまま積んであった本が
読みたくなり、久しぶりに読書三昧で時間を過ごしました。
評判は聞いていたものの、手に取る機会がないままになっていた、
「博士の愛した数式」もそのなかの1冊でした。
久しぶりに泣いてしまいました。
胸にじんわりとしみ込むストーリーは、今,流行の純愛ものではありません。
絶対素数という数式が核になってるシンプルなストーリー、
博士やルート君など登場人物も魅力的ですが、
ゆったりとした押さえた筆の運びが、
しみじみとしたラストをむかえます。
野球好きの私には、栄光の背番号28、江夏の登場も懐かしく胸が熱くなります。

読んだあと、本屋に行き、
本棚の前でかなり長い時間を過ごしました。
いつもなら手に取ることの無い知らない名前の作者の本を買いました。
家まで待ちきれず、近くのコーヒーショップに入り、本をひろげました。
「博士の愛した数式」はここしばらく忘れていた、上質な本を
読む楽しさを、私に思い出させてくれました。

[松浦香苗のノートブックno.4

博士の愛した数式
小林洋子著 新潮社刊
を読んで
2005.5.10

[松浦香苗のノートブックno.3

ティーポットと紅茶ニルギリ

朝.起きて飲む紅茶は、もう長いことニルギリに
決めてます。午後のティーブレイクには、
アールグレイやダージリンも美味しい
けれど.朝の1杯は口当たりが爽やかなニルギリが好き。
20年来愛用している、たっぷり5杯分のお茶が
はいるアンティークのまあるいティーポットの口に
さがっているのは茶漉しです。茶漉しの持ち手に付いている、
U字形の針金をポットの口に差し込んでつかうようになっている
超がつく優れもので、10年以上も前にパリの
バンブの蚤の市で見つけました。はずした茶漉しを
入れて使ってるのは、フォーションで買ったバター
が入ってた陶器の入れ物です。KINOKUNIYAでも見かけました。

[松浦香苗のノートブックno.2

キッチンツールやブリキのバスケット
今回のイベントではキルトと一緒に、アメリカの田舎の
マーケットやパリの蚤の市などで買い求めた、キッチン
ツールやブリキのバスケットなども飾りました。
本の撮影の小道具に使ったものを覚えていてくださった
方もいて、雑貨好き同志で話がはずみました。

私が長い間かけて一つ一つ集めたブリキの
バスケット。
写真は1940年代から50年代に作られていた、
アメリカのもの。藤で編んだ篭のように見える
プリント柄です。
大、中、小とサイズがあり、
布を収納して使ってます。
20個近くあるなかで特に珍しいのは、
2本の魔法瓶入り。
オハイオ州の片田舎のマーケットで
見つけた時は、
嬉しくて胸がどきどきしました。
1995年、春のアメリカでの旅日記を
拡げてみたら、今回飾った、
キッチンツールのニッパー(みじん切りき)
のメモがありました。
写真は『 ミセスリビング』掲載  
撮影 安藤紀夫

1995.5.14 記

キルトでくつろぐインテリア

最近、注目のインテリアストリート、
目黒通りの‘ジェオグラフィカ’の3階で、
オールドパインのアンティーク家具と、
リネンやキルトを
コーディネートした
催しを2月20日まで開きました。
外の寒さをよそに、
窓から暖かい日差しが差し込む、
優しく居心地の良い空間
ができました。

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2005.2.11〜2.20
[松浦香苗のノートブックno.1